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2011年03月24日

3科目

 合宿から帰ってきて以後のサトの勉強振りは目を見張るものがあった。
頑張れば頑張るほど、教材のレベルの違いにサトは不満だった。

 「お母さん、もっとレベルの高い教材がほしいなあ。合宿に行って、
  つくづく思ったよ。彼らはU類なのに、進学塾にも行っているんやて。
  僕は塾にも行かないで、自分で勉強しなあかんし、今の教材ではとても
  大学には受かりそうもないよ。」
 「そうは言っても、もっとレベルアップするには、教材も値段が高いでしょう?
  お母さんが出してあげられる金額は限度があるし、何かいい教材でも見つ
  かったの?」
 「うん。進研ゼミと言う教材があるんだけど、それがとてもいいらしいんだ。
  でも、1教科8,000円くらいはするらしいよ。僕は国語、英語、社会の
  3科目を取りたいと思うんやけど。今の僕の力では、国公立は無理だから、
  私学一本に絞ろうと思っているから、受験科目の3科目はどうしても必要
  なんだ。」
 「すると、毎月2万4千は居るということね。何とかしてあげたいけど、
  ちょっと厳しいかなあ。」

息子の希望を即座に聞いてやれない、私は情けなくて溜息をついてしまった。

posted by たかママ at 23:30 | Comment(0) | 日記
2011年03月23日

刺激

 2泊3日の合宿から帰ってきたサトは、出掛ける時とは打って
変わって落ち込んでいて、表情は冴えないし、疲れているようだった。

 「大分、搾られたみたいだね。どうだった?」
 「地獄の特訓と言われるだけあって、休む間もなく、どんどん
  追い込まれて、本当に大変だった。勉強も教材もU類のレベルで
  やるから、僕にはちんぷんかんぷんで、まるで手に負えなかった。
  こんなにも僕のSクラスと違いすぎるなんてショックだったよ。」
 「でも、それだけ差があることが分かっただけでも良かったじゃない。
  これからの目標が出来たんじゃないの?」
 「うん。U類の連中は休憩時間でも休まずに必死でやってるんだ。
  俺も見習わなくてもいけないと思ったよ。」
 
 22時以降の自由時間になって、誰ものんびり過ごす者はいなかった
らしい。参加者全員が深夜まで机に向かっていたという。

 この特訓で、サトが大いに刺激を受け、以後の受験勉強に真剣さが増した
のは言うまでもない。

posted by たかママ at 22:54 | Comment(0) | 日記
2011年03月22日

合宿

 合宿のスケジュールは、今までサトが経験したことのない厳しさ
である。朝、6時起床、ラジオ体操の後、食事。8時から12時半
まで午前の学習。昼食時間は30分、13時には午後の学習が始まる。
17時に終了、入浴、夕食を済ませると、19時から22時までが
夜間学習。以降は、自由学習の時間である。全ての学習に時間割が
決まっており、強化担任が学校と同じように教鞭をとるのだそうだ。

 おっとりのんびりしたサトが、この厳しい学習のスケジュールについて
行けるか、不安はつきなかった。
 
 「スケジュール表を見ると随分ハードな様じゃない?サト、
  大丈夫なの?」
 「やってみないと分からないけど、とにかく頑張ってみるよ。」
 「スケジュールに合わせて、教える先生達も大変だねえ。」
 「NJ高校名物の地獄の強化合宿がどんなものか、体験してくるよ。」

サトは、さも楽しみと言わんばかりに上機嫌で出掛けていった。

posted by たかママ at 23:02 | Comment(0) | 日記
2011年03月17日

レベル

 サトが高校に入って初めての夏休みは、K君との東京旅行に
始まったが、後半は学校の主催する、夏季学力強化合宿に参加
していた。
 夏休みに入る直前、サトが一枚のプリントを持ってきた。合宿の
参加申し込み書であった。さすがに進学校で、夏休み後半1週間
の予定で、例年実施されていた。進学コースのU類を中心に、参加
希望者を募っていた。もちろん費用も掛かる。

 「U類が中心だったら、サトのSクラスとはレベルが違いすぎるん
  じゃないの?」
 「いや、U類と同じようにやらなければ、国公立はとても受験
  できないんだって。U類の連中がどんな勉強しているか、一緒に
  やってみたいと思っていたんだ。」
 「塾にも行かないで勉強しているんだから、一度、経験して勉強の
  方法を見てくるのも良いかもしれないね。」

2万6千円也の合宿の費用は、しぶしぶだがKが出してくれた。

posted by たかママ at 23:31 | Comment(0) | 日記
2011年03月16日

サンダル

 翌朝、サトはボンドで貼り付けた上履きが気に入ったのか、上機嫌で
登校して行った。その日、サトはまた同じように二つに割れてしまった
サンダルの上履きを持って帰ってきた。今度は左右、両方割れてしまって
いた。
 
 「お母さん、これも頼むわ。」

サトは、左右とも割れてしまったサンダルを私に寄こした。

 「これもって? 誰の? 両方とも、ひどいわねえ。」
 「昨日、お母さんに治してもらったサンダル、クラスで大うけだったんや。
  友達も皆、やって欲しいんやて。」
 「それはいいけどさ、こんな事して先生に何か言われたりしないの?」
 「別に知らんのとちゃうかな。とにかく、明日もまた持ってくると思う
  から、お母さん 治してくれるよね。」
 
 この日からしばらくは、夜になると、サトのクラスの男の子の壊れた
サンダルを治す日々が続いた。

posted by たかママ at 22:54 | Comment(0) | 日記
2011年03月15日

応急処置

 「ばかだねえ。なんで、上履きをおもちゃにして遊ぶのかねえ、今時
  の高校生は。新しいのを買うにしても、今日の明日じゃ間に合わない
  じゃない。」
 「買わなくても、お母さんがちょちょいって、いつものように直して
  くれたら良いよ。」
 「直すといっても、真っ二つになったサンダルをどうしようかしらねえ。」

スリッパ.jpg


 私は、二つになったウレタン底の割れ目をボンドで貼り付けることにした。
ボンドをしっかりと着ける為に、貼った割れ目に沿って目打ちで穴を開け、
タコ糸を通し固く結んだ。

 「これでどう? 替わりの上履きを買うまでの応急処置としては良い出来
  でしょう?」
 「さすが! お母さんや、これでええわ。上等、上等。新しいのは買わんで
  ええわ。」
 
posted by たかママ at 23:48 | Comment(0) | 日記
2011年03月14日

上履き

 サトが学校の上履きを持って帰ってきた。サトが高校の上履きは、
ウレタンスポンジにゴムコーティングしたスリッパを使っている。
入学したての時、初めてそのスリッパを見て、家族中が驚いた。
 
 「まるでトイレのスリッパだなあ。これが、校内履きか?
  変わってるなあ。」
 「ほんと。色もグレーで地味だし、動きにくそうだわねえ。女の子も
  同じものを履くのかしら?」
 「そうだよ。先生も同じだよ。」

 持って帰ったスリッパは、右が土踏まずの所で見事に真っ二つに割れて
いた。左側も、底のウレタンが同じくひびが入って折れかかっていた。
  
 「どうしちゃったの? 真ん中から割れるなんてどんな履き方して
  いるの?」
 「履いて割れたんちゃうねん。二つに折ってボールのように投げて
  遊んでいるうちに、とうとう割れてしまってん。お母さん、何とか
  治してよ。」

posted by たかママ at 23:39 | Comment(0) | 日記
2011年03月10日

楽しみ

すかさず、HさんもMさんとKさんに続いた。

 「私も、息子を連れていこうと思うてたんやわ。Nさんは、女の子
  ばっかしやろ? どうするん? 一緒に連れて行くん?」
 「さあ、どうしようかな? 今は、考えてへんわ。来年の夏はもう
  中学生になってるやろ? 部活とかやってはって、忙しいんと
  ちゃうやろか。その時になったら、考えるわ。」
 「たかママさんはタエちゃん連れて行かはる? グアムのお母さんも
  タエちゃんも一緒に行かはったら、喜ばはるんとちゃう?」
 「そうかもしれないけど、私もNさんと同じで近くなったら、状況を
  見て考えるわ。」
 「お母さんの家があるのに、うちらと一緒にホテルに泊まるん?」
 「もちろん、そのつもりでいるわよ。ツアーも一緒に行くわよ。」
 「もったいないなあ。」
 「母に連絡して、ツアーでは行かない所とか、地元の人が行く買い物
  スポットなんかにも行こうよ。」
 「後は、今度の夏休みのグアムに行くのみやな。楽しみやな。」

posted by たかママ at 23:46 | Comment(0) | 日記
2011年03月09日

旅費

 「私の旅費がただになるのは、ありがたいけれど、私の分を皆の
  旅費に上乗せするってこと?」
 「そういうことではないねんけど、旅行業界では当たり前のことや。
  添乗員の代わりやから、気にせんでもええんよ。」

旅費が要らないのは助かるが、何だか皆に悪いような気がした。

 Uさんの作ってくれた仮のスケジュール表を持って、改めて私達は
集まった。保育園の園長をしているMさんが、スケジュール表に目を
通しながら言った。
 
 「初めての海外旅行やし、私、息子達を連れて行くわ。」
 「あんたんとこが行くんやったら、うちも連れて行こうかな?」

Kさんもそれに続いて言った。MさんとKさんには、それぞれ息子さんが
二人いて、お兄ちゃん同士、弟同士、同級生である。ともに仲が良く、
普段からよく遊んでいた。

posted by たかママ at 22:47 | Comment(0) | 日記
2011年03月08日

ただ

 1年掛かりの旅行計画は始まったばかりなのに、私達は何度も集まっては
まだ先の旅行に夢を馳せた。
 私は、旅行社のUさんが勧めるココス島一泊をスケジュールに入れる予定で、
仮の日程表などを作ってくれることなどを話したりした。

しばらくして、Uさんから、大方の予定と見積もりができたと連絡があった。

 「参加する人数によって費用が変わってくるやけど、まあ、こんなもんやな。
  第一ホテルに泊まってもらおうと思って、押さえておくつもりやから、
  参加する 人が早く確定した方が決めやすいんやわ。」
 「子供達も連れて行きたいという希望なので、夏休みに設定して欲しいのよ。」
 「それやと、尚のこと、早くせんとな。料金も少し高くなるんやわ。10人
  以上になると、単独でツアーが組めるし、そうなると、たかママさんをうち
  の添乗員の形をとって、料金をただにするわ。」
 「ただって、費用はいらないってこと?」
 「そうや、“ただ” 無料ってことや。」
 
posted by たかママ at 23:50 | Comment(0) | 日記
2011年03月07日

見積もり

 「お勧めのスポットなあ、 たかママさんは何回もグアムに行ってはる
  から、あっちこっち知ってはるやろけど、ココス島に行かはったこと
  あるん?」
 「ココス島? 行ったことないわ。」
 「そんなら、ぜひ行かはったら。グアム本島から舟で15分くらいで
  いけるし、コティージの宿泊施設もあるから、そこで一泊というのも
  ええんちゃう? 海も遠浅できれいやし、まるでプライベートビーチ
  みたいやで。」
 「そうねえ、そのプランを入れてみようかしら。ほかにも、オプションを
  つけることも出来るでしょうし、楽しそうだけど、問題は費用がどのくらい
  掛かるか、心配だわ。」
 「大人には、日本では禁止されている実弾の射撃も人気があるんよ。」
 「本物のピストルの実射でしょう? 看板は見たことあるわ。私も経験は
  無いけど、それって危険じゃないの?」
 「ちゃんと、インストラクターが付いているし、大丈夫やって。特に日本人
  の観光客の人気があるらしいわ。とにかく、悪いようにはせえへんから、
  早いとこ、仮の見積もりとスケジュールを組んでみるわ。」

posted by たかママ at 23:45 | Comment(0) | 日記
2011年03月03日

予算

 旅行代理店を訪ね、私達のグアム旅行のための旅行計画を依頼した。
新規参入の代理店で顧客の獲得に懸命になっていた時期で、Uさんは
私の依頼に大喜びだった。

 「新しく商売を始めたものの、この業界も競争が激しくてな。お客さん
  の獲得に大変なんよ。ほんまに助かるわ。」
 「旅行といっても、まだ先の話だけどね。これから積み立てるので、
  だいたいの予算が分かると、目標が立て易いと思ってね、相談に来たの。」
 「予算を立てるには、一緒に行かれる人数と日程、ホテルのレベル、それと
  日程の中に既存の観光のほかにオプションを組み入れるかによっても、
  費用が違ってくるわ。」
 「私は、何度か母の所に行った時に、あちこち観光してしているけど、皆は
  初めて海外になるらしいのよ。大体3泊4日くらいの予定で、10人ぐらい
  になると思うわ。どこか、オススメのスポットなんかあれば入れてもらって、
  一度概算して貰えるかしら?」

posted by たかママ at 23:12 | Comment(0) | 日記
2011年03月02日

スケジュール

 言いたい放題、いろいろな意見が出たが、最終的に行き先はグアムに
決まった。一年後の夏休みに行くことを目標に、旅費を皆で積み立てを
始めることにした。
 積立金取りまとめ役は部長のNさん。一ヶ月5千円の積み立てを1年で
6万円積み立てることとなる。

 「1年間で6万円、そこそこの金額になるやん。このくらいあれば、良い
  旅が出来るんとちゃう?」
 「そやな、楽しみやな。スケジュールはどうする? どこか旅行社に頼む?」
 「頼むにしても、グアムのことをよく知ってはる、たかママさんに計画立てて
  貰うたらどうやろ?」
 「いや、知っているといっても、母が住んでいるから何回か行って来ただけよ。」
 
 最終的には、私に旅行のスケジュールを立てることを任された。偶然にも、
私達の旅行計画が出た時と時を同じくして、友禅の内職をしてくれていた人
のご主人が旅行代理店を立ち上げたと聞いた。
私は、その旅行代理店に、スケジュールや手続き等について、相談すること
にした。

posted by たかママ at 23:15 | Comment(0) | 日記
2011年03月01日

役員

 文化部のメンバーは、役員を務めたことを契機に、20年以上たった
今も年に一回の親睦会を欠かさず行っている。その中でも、いろいろな
事情で参加を辞めたメンバーもいたが、一番最初に抜けたのはUさん
だった。

 回を重ねて集まっているうちに、誰からともなく海外旅行に行きたいと
言い出した。
 「どっか、海外旅行に行きたいよね。」
 「そやね。ハワイなんかどうや?」
ハワイに新婚旅行に行ったと言う部長のNさんが言った。
 
 「ハワイは日本人も多くてええんやけど、ちょっと遠いんちゃう? 時間も
  かかるし、旅費が結構してるで。」
 「これから、積み立てして旅費を貯めようと思うと、大分時間が掛かるしなあ。」
 「あんまり長い間、家も空けられへんし、3、4日で行ける所がベストやねん
  けど。」
 「たかママさんのお母さんのいはるグアムはどうやろ?」
 「それがいい、そうしよう、そうしよう。」

posted by たかママ at 22:35 | Comment(0) | 日記
2011年02月24日

見物

 Uさんは、Dさんの鋭い指摘も響かないのか、怪訝そうな表情をして
いた。
 
 「とにかく、何でもええから、はよ作業に掛かってや。ハイヒールで
  しゃがめへんのやったら裸足にでもなったらええやん。」
 「汗、ダラダラかいて、とんだパーティーやな。」

皆、口々に言いたいことを言ってはいたが、黙々と作業の手は動いていた。
Uさんんは悪びれた様子もなく、白いパラソルをくるくる回しながら、
辺りを見回して立っていた。その姿に、ますますDさんは頭に来たようだ。
 
 「あんた、見物に来たんか?何もせんとそこに突っ立っていられても
  邪魔や。もう、帰りよし。」
 「まあ、来るには来たんやから、ええやん。Uさんも家は近いんやから、
  せめて靴でも履き替えて来はったら?」

 部長に言われて、Uさんは靴を履き替えに行った。しばらくして戻って
来たUさん、替えたのは靴だけで、やはりロングスカートにパラソルを手に
持っていた。

posted by たかママ at 23:58 | Comment(0) | 日記
2011年02月23日

軍手

  「どこかへ出掛けはるんとちゃう?」

 パラソルを握るその手はロング手袋でひじまで覆われていた。誰もが、
Uさんは出掛けるので、清掃の参加できないと断りに来たのだと思った。
部長の前に歩み寄ったUさんは言った言葉に、皆、呆れるやら驚くやら・・・。

 「あのー、私、どこをやったら良いんですか?」
 「ええっ! あんた、そんな格好で草引きするん?」
 「はい。そのつもりで来たんですけど、それが何か?」

横から、委員の中でも一番年配のDさんがイライラして声を荒げた。

 「あんな、皆、ジャージやらGパンやら作業しやすい格好で、このくそ
  暑いのに草引きしてんねんで。そのハイヒールにロングスカートで
  しゃがんで作業できるんか? その長い手袋は軍手か? その白い
  パラソル持ってて、どうやって草引くねん?」 

posted by たかママ at 23:12 | Comment(0) | 日記
2011年02月22日

白いパラソル

 Uさんは校門の向かい側の住宅地の地域委員である。他のメンバーより
学校に一番近い場所に住んでいるのに、まだ来ないのはおかしいと誰もが
思っていた。
 
 「午前中の涼しいうちに済ませてしまおうと、皆、早う集まっている
  のに、一番近いUさんがまだ来てへんやないなんて、どないなって
  るんやろ?」
 「いつものことや、まともに時間に間に合うたことないやん!」
 「そのうち、“遅くなって済みませ〜ん”て言いながら来はるって。」

皆、口々に言いながら、草むしりに懸命なっていた。じっととしていても
暑いのに、太陽は容赦なく、うつむき加減の私達の背中に照りつけ、炎天下
の地面に顔から噴出した汗がぽたぽたと滴り落ちるほどだった。
 
 「あっ、Uさんやない!」
 「そうや、Uさんやわ。それにしても、あの格好はなんや?」

 Uさんは、白のロングスカートにハイヒールという装いで、白いパラソル
を差してニコニコしながら、草むしりをしている私達に近づいてきた。

posted by たかママ at 22:43 | Comment(0) | 日記
2011年02月21日

メンバー

 U君のお母さんとは、学校の地域委員で同じ文化部のメンバーで知らない
仲ではない。メンバーの中でも、少し変わっていると廻りも認識していた。
最も、皆がその行動にあ然とした出来事があった。

 夏休みの終盤、新学期が始まる前の日曜日、クラスや学校の役員が総出で
校内の清掃をする決まりであった。
 父親達、男性の役員は、教室の机や椅子など、痛んだ箇所の修理や、女、
子供の手の届かない場所の掃除を担当。 母親達はグループ別に校庭の
草むしりなど。私達、文化部のメンバーはプールと学童保育教室の周囲を
担当することになっていた。

 真夏の照りつける太陽の下、親たちは帽子、汗拭きタオル、水筒の3点
セットを携え、スニーカーに動きやすいジャージやスラックスとお決まりの
格好で集まって、作業に取り掛かろうとしていた。メンバーの一人が、U君
のお母さんがまだ来てないことに気が付いて言った。
  
 「Uさん、まだ来てへんなあ。どないしたんやろ?」

posted by たかママ at 23:47 | Comment(0) | 日記
2011年02月17日

この親にして、この子あり

 U君の“Tシャツ、頂戴”攻勢に嫌気がさしたのか、タエは学校に
Tシャツを着ていくのを止めた。学校に着てこないタエに、U君は
しつこく聞いた。
 
 「何で、ビッグエッグ着てこうへんの?」

“U君があんまり欲しがるからや!”とも言えず、タエは困ったらしい。

 そんな事があった数日後、U君のお母さんに会った。彼女とは同じ地域
委員のメンバーで、知らない仲ではない。U君が、我が家を訪ねてきた
一件を話した。

 「ああ、そやねんてね。あんまり、買って買ってとやかましいから、
  ほんなら、タエちゃんに貰うたら?て言うたんやわ。」

“迷惑掛けて、すみません”とか、“ごめんなさい”でもなく、平然として
いる。この親にして、この子ありとは、この事かと納得した。

posted by たかママ at 23:17 | Comment(0) | 日記
2011年02月16日

お願い

 「おばちゃん、僕、どうしても欲しいねん。頼むし、お願いやから。」
 「いくらお願いされても、ダメな物はダメよ。」
 「そんなら、タエちゃんが飽きて要らなくなってからでええし、僕に
  くれるって約束して!」

U君のあまりのしつこさに危うく、“いいよ”と言いそうになって、ハッと
してしまった。とにかく、早く帰るように仕向けないと、私もタエも身動き
が取れない。

 「まだ家に帰ってないんでしょう? 早く帰らないと、お母さん心配する
  わよ。」
 「うん、でも、Tシャツが・・・。」
 「それに、君のお母さん、君がタエのTシャツを欲しがっているって知って
  るの?」
 「うん、おんなじものを買うて(こうて)って、言ったんやけどアカンて
  言わはってん。」
 「それじゃあ、君もあきらめるしかないわね。人の持ち物を欲しいからって、
  簡単にもらえる訳じゃないのよ。とにかく我がまま言わないで、今日は
  家に帰って、お母さんにもう一度お願いしたら?」

U君は、がっかりしたように、しぶしぶ帰って行った。

posted by たかママ at 23:29 | Comment(0) | 日記
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