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2010年06月30日

トイレ

 程なく、看護婦が先生が診察室へ入るように言っていると呼びに来た。

 「あ、お母さん、娘さんをトイレに連れて行ってください。」
 「はいっ? トイレですか?」
 「詳しくは戻ってきてから、お話します。娘さんが分かっていますので・・・。
  なっ!」

そう言って、医師はタエに笑顔を向けた。
 私は腑に落ちないまま、タエをトイレに連れて行った。
 
 「先生、何をしたの? もう痛くないの?」
 「ううん、まだちょっと痛いけど、お母さん外で待っていて。」

 そう言うと、タエはバタンと戸を閉め、トイレに入って行った。しばらくして、
ジャアーッと勢いよく水洗の流れる音がして、タエが出てきた。

 「ああーっ、良かった。お母さん、もう大丈夫やで。先生が待ってはるし、
  行こう。」
 
タエは病院に来た時とは、打って変わって顔色も良くなっていた。

posted by たかママ at 22:29 | Comment(0) | 日記
2010年06月29日

処置

 先刻の看護婦が診察室へ入るように、言いに来た。若い男性の医師が
穏やかな笑みを浮かべながら、タエに声を掛けた。
 
 「何時からお腹痛くなったの?」
 「朝から・・・。」
 「朝から痛かったのに、我慢して学校に言ったの? しんどかったやろ?
  お腹、先生に見せてくれはる?」

診察ベッドにタエを横たえて、お腹を素手で軽く押さえていた。

 「これじゃ、痛かったやろな。かわいそうやったなぁ。お母さん、処置
  しますから、ちょっと、外で待っていてください。直ぐ、お呼びします
  ので。」

 診察室の外では、Kが心配そうにまっていた。

 「どうしたんだって? 何処か悪いのかな?」
 「まだ何も言われてないの。処置するので、外で待っているように言われた
  のよ。」
 「処置って、何を処置するんだろ?」

posted by たかママ at 21:39 | Comment(0) | 日記
2010年06月27日

お腹が痛い

 2学期が始まって、2週間ほど経った土曜日、学校から帰って来たタエが
玄関にへたり込んで、お腹を押さえて苦しそうにしていた。
 
 「ただいまも言わないで、どうしたの? 何処か具合でも悪いの?」
 「お母さん、お腹が痛い・・・。」
 「いつからお腹が痛くなったの?」
 「朝から、少し痛かった。」
 「学校に行く前から痛かったんだったら、早く言わなくちゃ駄目じゃない。
  授業中も我慢しないで先生に言って、電話をして貰もらったら、お母さん、
  迎えに行ったのに。」

 額に脂汗を浮かべ、顔色も悪い。ちょうど、昼食に帰って来ていたKの
トラックで救急病院へ急いだ。

 受付でタエの症状を説明して、診察を頼んだ。本日の当番医は小児科の
先生ではなく、内科の先生に診て貰うので、診察室の前で待つように言われた。
診察室の前で担当の看護婦が待っており、タエに声を掛けた。

 「先生、直ぐに来てくれはるし、大丈夫やで、もうちょっと、待ってな。」

posted by たかママ at 22:08 | Comment(0) | 日記
2010年06月24日

ギヴアンドテイク

 「歴史のある京都ならではの文化だもの。次の世代にも伝えて行くのも必要
  かも知れないわね。それにしても、あの鉄板やら、飲み物を冷やしていた
  アイスボックスとか、どうしたの? 自治会で所有しているの?」
 「ああ、あの道具類な。自治会のやないねん。会長さんが業者から借りて
  くれはったんやわ。知ってはると思うけど、会長さん、ゴルフ場のレストランの
  コックさんやろ。出入りの業者さんに道具をレンタルしてくれる店を紹介
  してもろうたらしいわ。その業者さんから、業務用の焼きそばやフランク
  フルトとか仕入れたんやけどな。」
 「じゃあ、ギヴアンドテイクってとこね。」
 「そやな。業者からリベートを取ってはるって噂する人も居てるけどな。」
 「いろいろ噂する人は何処にでも居るわよ。根拠のない事で噂話にのったら、
  あとで大変な事になるわよ。会長さんみたいに、あれだけ大変な段取りを
  してくれる人はなかなか居ないわよ。」
 
 私も、他所から会長が業者からリベートを取っているという噂はいた。
うっかり同調すると、私が噂していたと言われかねない。組長の彼女には
地蔵盆の労を丁寧にねぎらって、帰ってもらった。

posted by たかママ at 22:41 | Comment(0) | 日記
2010年06月23日

痛しかゆし

 組長の彼女は昨夜の騒がしさを、自分の責任のように謝った。
  
 「本当に賑やかだったわね。でも、貴女のせいではないから、そんなに気に
  する事ないわよ。」
 「いや、そう言わはるけど、中にはやかましいって文句言いに来た人も居はっ
  てな。男の人は酔っ払ってはるし、謝るのはうちらがせなアカンし、
  往生したわ。」
 「それは大変だったわね。皆が皆、飲んだり歌ったりするのが好きって訳
  じゃないものね。」
 「そやねん。嫌いな人も居はるし、病人を抱えてはる人も居てるしな。
  昨夜はやり過ぎやったわな。」
 「そういう人には、迷惑なだけだもんね。」
 「子供の成長を願う地蔵盆やのに、何で大人が飲んだり食ったり、カラオケで
  騒いだりするんやって、きつう言われてな、考えてしまったわ。」
 「地蔵盆じゃなくて、夏祭りだったら、多少多めに見れるのかも。」
 「新しい団地や地域では、地蔵盆をやめて夏祭りにしたとこあるらしいわ。
  ここは古くて小さい町内やし、京都は夏祭りより地蔵盆の方が地域に
  根付いているし、今更、変えられへんやろし、まあ痛しかゆしってとこ
  やなあ。」

posted by たかママ at 22:33 | Comment(0) | 日記
2010年06月22日

ウジャウジャ

 地蔵盆の2日目の行事は午前中で終わった。子供達はお寺の住職さん
の講話を聞いた後、おやつを貰って帰って来た。
  
 「お坊さんのお話、あったんでしょう? サト、どんなお話しだったの?」
 「知らん! 誰も聞いてへんよ。 退屈な話で足がしびれただけや。」
 「ほんま、私も何の話か分からんかった。な、お兄ちゃん。」
 「お坊さんが、お経を上げていても、皆、ふざけて騒いでいたし、後の話も
  ウジャウジ3ャ言っているだけで、早く終われ、早く終われ、そればっかり
  思っていたんや。」
 「あんまり、やかましいし、誰かおばちゃんに怒られはってん。」

 子供達にとってお坊さんの話は、ただ退屈なだけだったようだ。 午後から、
役員や昨晩飲んだり騒いだりした有志の人たちが、テントの撤去や道具の
片付け、公園の掃除に大忙しだった。
 夕方、組長さんが“お地蔵さんのお下がりです”とジュースを2、3本とサラダ
オイルを1本届けてくれた。
 彼女は溜息を漏らすように言った。

 「夕べは、遅うまで騒がしかったやろ? 堪忍なぁ。」

posted by たかママ at 22:45 | Comment(0) | 日記
2010年06月20日

無礼講

 カラオケの音と共に、酔っ払って大盛り上がりの様子は22時を過ぎても、
まだ聞こえていた。

 「遅くなっても、外はずいぶん賑やかだなあ。」
 「役員や近所の人達で大盛り上がりのようよ。子供の地蔵盆だというのに、
  これでは、大人の為の夏祭りって感じだわね。ビールを飲んで、カラオケ
  で騒いで、楽しいでしょうけど。」
 「年に一度、おおっぴらにご近所さんで無礼講ってとこだな。」
 「誰が用意したのかしら? カラオケのセットって、かなり大きいわよ。
  個人の持ち物かしら?」
 「今時、レンタルで何でも揃うからな。夜店の提灯から、バーべキューの
  セットや鉄板とかさ、ない物はないらしいよ。」
 「そうそう、お地蔵さんもお寺からレンタルしたみたい。夏休みだから
  良いけれど、これで通常だったら、たまらないわね。」
 「今日は土曜日だし、明日は大抵の人が休みだし、羽を伸ばしているのさ。」

 カラオケは23時ごろには治まったが、酔っ払いの怒声と笑い声は深夜まで
聞こえ、誰もうるさいと文句を言う人が居ないのか、不思議だった。 

posted by たかママ at 23:38 | Comment(0) | 日記
2010年06月17日

カラオケ

 サトとタエが汗びっしょりになって帰って来た。

 「お母さん、ただいま。子供は9時(21時)でお終いだって。これからは、
  大人の時間だって!」
 「お母さん、大人の時間って、何しはるん?」
 「さあ、何するんやろうね。お母さん、後で見に行ってこようかな?」

 しばらくすると、表からあまり上手とはいえない演歌が流れてきた。音の
出所は公園らしい。公園から我が家まで14、5m位、離れているが、かなりの
大音量で聞こえてくる。私は、公園を覗きに行った。
 テントの中では、自治会の役員や子供会の役員を中心に大人達がカラオケ
に興じていた。テーブルの上には、夜店で売っていた、ビール、焼きそば、
フランクフルトが所狭しと並んでいた。私が先刻、オーディオセットだと思った
のはカラオケのセットだったのだ。覗いている私に気が付いた役員の一人が、
手招きして呼んだ。
 「サト君のお母さん、こっちへ来はったら? ビールもあるで、入って入って。」
私は、アルコールに弱いので、丁寧に断って家に戻った。

posted by たかママ at 22:16 | Comment(0) | 日記
2010年06月16日

夜店

 「お母さん、僕、晩ご飯いらない。焼きそばでいいよ。」
 「私もいらない。お兄ちゃんと一緒にテントで焼きそば食べる。」
 「テントで? 家に持って来て食べたら? テントの中は他の子供達で
  いっぱいでしょう。ごちゃごちゃして汚いんじゃないの?」
 「ええっ? 大丈夫だよ。テントで食べていいでしょう?」

私もサトとタエについて行って、焼きそばを買ってやった。二人は焼きそばを
持って、テントの中に入って行くと、子供会の役員が手招き呼んだ。
 
 「サト君、タエちゃん、ここが空いているで。ここに座り。」

 二人が席に着いたので、私も夜店を覗いてみた。夜店では缶ビールが市販の
価格より安く販売していた。Kが喜びそうなフランクフルトも、鉄板の上で良い色
に焼け、香ばしい匂いが食欲をそそった。私は、もう直ぐ帰って来るKの為に、
缶ビールを2本と、フランクフルトを2本買った。
  
 「あんまり、遅くならないうちに帰るのよ。」

帰る前に、サトに声を掛けた私は、テントの奥に大きなオーディオセットの
ような物が設置してあるのに気が付いた。

posted by たかママ at 22:44 | Comment(0) | 日記
2010年06月15日

当てもん

 「当てもん? サト、当てもんってな〜に?」
 「ええっ? お母さん、当てもん、知らないの? くじ引きの事だよ。」
 「何だ、くじ引きの事! 確かに、くじで物を当てるのに違いないわねえ。」

関西ではくじ引きの事を“当てもん”と言うのだと、この時に知った。
 しばらくして、サトとタエはお菓子がたくさん入った袋を抱えて帰ってきたが、
直ぐに踵を返して出て行ってしまった。
 
 「お母さん、これ、当てもんの景品。また行ってくる。」
 「今度は、何かゲームをするんやて。」

 夕方になると、夜店も出た。夜店と言っても、自治会の役員が準備から
売り手まで、すべてを仕切っていた。
 私も事前に購入していたチケットを持って、子供達と一緒に夜店に行った。
夜店では、綿菓子、焼きそば、フランクフルト、子供の祭りなのに、何故か
冷えたビールも売っていた。
 テントの下では、役員たちが車座になって、焼きそばやフランクフルトを肴に
ビールを飲んでいた。その横では、数名の子供達が夕食代わりに焼きそばを
頬ばっていた。

posted by たかママ at 22:19 | Comment(0) | 日記
2010年06月13日

祭り

 京都の夏は祇園祭を始め、地元でも自社仏閣でいろいろな祭りがある。
この地域でも、自治会や子供会が中心になって、地蔵盆が夏休み最後の
土、日曜日に行われた。東京では、団地の広場や公園などで夜店が出たり、
盆踊りが開催され、大人も子供も楽しみに参加したものだ。もともと、子供たち
の健やかな成長を願う行事である。地蔵盆では盆踊りはない。この辺が東京
の夏祭りと違うかもしれない。
 おやつやゲームを用意して自治会や子供会の役員が、その日1日中、
子供達をもてなす?のである。私には、さしずめ、子供の機嫌を取っている
ように見えたのである。

 地域の公園には早朝から役員が総出で、朝からテントを張って準備をして
いた。テントには近くの寺からリースしてきたお地蔵さんを設えてある。何故
だか、その横には大きなTVもセットしてあった。
時間ごとにイベントが決まっていて、子供たちは予め、子供会から配られた
チケットを手に手に、駆けつける。バタバタと表を走る子供たちの足音がした。
  
 サトが、タエに声を掛けた。
 「オーイ、タエ、行くぞ! 当てもんがはじまるで。」

posted by たかママ at 22:46 | Comment(0) | 日記
2010年06月10日

何だ! 何だ!!

 早速、この目覚まし時計を買うことにした。これなら、補聴器を外していても
聞こえるだろう。今まで、旅行中でも朝、学校に遅れないように起きられたか
心配だったが、これで、私達も安心して家を空けることが出来る。
 
 「お母さん、この目覚まし時計、明日から使ってみようかな?」
 「そうだね。これから、タエやお兄ちゃんを、わざわざ2階まで起こしに行か
  なくて済むわ。お母さんも、朝、忙しいし助かるわ。」
 
 翌朝、“グアン!! グアン!! グアン!! グアン!! グアン!!” 
というけたたましい音に、飛び起きた。試しに聞いた音よりはるかに大きな
音だ。

 「おい、何だ! 何だ!! 今の音は何だ!」

Kも跳ねるように飛び起きた。私は返事をせずに2階に駆け上がって、タエの
枕元の目覚ましのアラームを止めた。

 「お母さん、目覚まし聞こえたよ。これで、一人で起きられるよ。」

タエが嬉しそうに笑った。

posted by たかママ at 22:51 | Comment(0) | 日記
2010年06月09日

アラーム

 店員は手に取っていた目覚まし時計を、アラームが鳴るように設定した。
    
 「良いですか? いきますよ。これが、一つ目の音です。」
“ウォン!! ウォン!! ウォン!! ウォン!!”
  
スイッチを入れたとたん、目覚まし時計はけたたましい音を鳴り響かせた。
タエと私は驚いて顔を見合わせた。映画で見たことのある、外国のパトカー
の音だ。側を通りかかった人が何事かと覗き込んだ。

「何でもありません。目覚ましの音ですから。」
店員は慌てて、手を横に振りながら、覗き込んだ人に言った。

「今度はもう一つの音です。これも、すごいですよ。」
“カン!! カン!! カン!! カン!! カン!!”

今度は、踏み切りの音だ。さすがに、店員は、今度はボリュームを絞ってあった。

posted by たかママ at 22:12 | Comment(0) | 日記
2010年06月08日

目覚まし時計

 Kの仕事は、土、日曜日が忙しいので、当然のように旅行に出掛けるのは
平日になった。平日は子供達の学校がある。私達が留守の間、目覚まし時計
のアラームが聞こえないサトやタエを遅刻しないようにしなければならない。
 始めの頃は、朝、起きる時刻に私の方から電話を掛けていたが、二人が
気付いてくれるまでに、かなりの時間を要した。もちろん電話の音量は最大限
に設定していても、結果は同じだった。
  
 再度、旅行が決まった時に何か良い方法がないか、いろいろ調べてみた。
耳の悪い人のために、着信を光センサーで知らせるのもある。これは、起きて
いる時は効果があるが、補聴器を外して熟睡してしまうと、何の意味も成さ
ない。特に、寝てしまうと、地震が起きても反応しないサトが気付くはずがない。
サトは頼りないので、タエが補聴器を外していても聞こえる大音量の目覚まし
時計がないか、探すしかない。
 タエと一緒に時計店を何軒か廻った。ある時計店で面白い時計を見せて
くれた。角型の赤と黒のコントラストが可愛い、一見、普通の目覚まし時計の
ようだ。

 「これなら、聞こえると思いますよ。音も2パターンありますし、音量も調節
  出来ますよ。試しに、一度、聞いてみますか?」

posted by たかママ at 21:36 | Comment(0) | 日記
2010年06月06日

温泉

 ホテルには16時過ぎに到着。夕食まで時間があるので先に温泉に入る
ことにした。温泉に浸かるのも旅の醍醐味である。特にバスツアーの場合は
座席に座りっぱなしで疲れる。疲れを癒すには温泉が一番とばかり、荷物を
解くのもそこそこに、私達は大浴場に向かった。
 何時ものように、早く出た方がベンチで待っているか、出入り口に設えて
あるマッサージチェアを使っている。Kはサウナに入るので、大抵の場合は
私の方が早い。温泉好きのKは、明朝の出発前にまた入るはずである。

 夕食の場所である大広間に行くと、すでに大方のツアー客が席に着いていた。
私達は周りの人に会釈をして席に着いた。座席の端の方が何やら騒がしい。
 誰か酔っ払って、騒いでいるようだ。騒ぎの方向に目をやると、例の中年
男性が、隣の男性に絡んでいるらしい。

 「また、あの人だわ。」
 「これから食事っていうのに迷惑な話だな。知らない人の集まりだから、
  仕方ないさ。これもまた、ツアーの面白さかもしれないよ。」
 
 向かい側には、錦帯橋で一緒だった若い女性が座っており、私と目が合うと、
ニコッと笑顔で会釈を返していた。

posted by たかママ at 23:04 | Comment(0) | 日記
2010年06月03日

優秀

 バスの出発時間が迫り、私達は急いでバスに戻った。先程の若い女性の
グループは、すでに席に着いており、私達に笑顔を向け会釈をした。
女性に絡んでいた男性も窓際の席で、相変わらずの仏頂面で座っていた。

 「あの、オバハンら、まだやな。また、遅刻してきいひんやろな? 遅れて
  きたら置いて行こうで。」

 「そんな意地の悪い事言わなくても良いのに・・・。」
私は、Kに耳打ちした。

 男性が言ったとたん、例の3人組がドタドタとバスに乗り込んできた。
やはり、3人とも両手いっぱいの袋をぶら下げていた。

 「ああ、良かった。今度は間に合うた(おうた)な。」
 「また、遅れたら皆に悪いがな。そんな事でけへんって。」
 「そうやな。それにしても、時間に間に合わせなあかん思うて、大忙し
  やったな。」
 「今回は、皆さん優秀ですね。全員が時間前に戻って来て頂きましたので、
  予定通り、出発出来ます。」

バスガイドがホテルへ向かって出発すると告げると、車内から拍手が起こった。
3人組は照れくさそうに顔を見合わせて笑っていた。

posted by たかママ at 22:37 | Comment(0) | 日記
2010年06月02日

初対面

 私達は取りとめの無い話をしながら、満開には程遠い桜並木を散策した。

 「ああっ、彼女達が来たようです。ありがとうございました、本当に助かり
  ました。また、後で。失礼します。」

彼女は、丁寧に挨拶をして小走りで駆けて行った。

 「袖擦りあうも何んとかって言うだろう? たまたま、ツアーで一緒になって、
  顔見知りって言うだけで親しみが湧いたり、心配したり、不思議だなあ。」
 「これを縁て言うのかしらね。余計なお世話でなかったかしら?」
 「彼女、助かったって言っていたから、これで良かったのさ。それにしても、
  女性はすごいなあ。初対面の人でも、同性というだけで親しくなれるん
  だよなあ。それに引き換え、男は駄目だなあ。見知らぬ他人には構えて
  しまって、親しく話す事は俺でも難しいよ。」
 「最初は誰でも初対面よ。私も人見知りが激しいから、初めはとても緊張
  して顔がこわばったりして、なかなか、上手く話せないわ。」
 「あの男の人も、折角の旅行なのに、同席の人ともう少し仲良くしたら
  楽しいのになあ。俺も人の事はあまり言えないけどな。」 
 
posted by たかママ at 22:58 | Comment(0) | 日記
2010年06月01日

女同士

 私は何気ない感じで、若い女性の方に声を掛けた。
 
 「桜、開いてなくて残念だわね。」
 「あっ、ええ。本当に残念ですねえ。」

彼女はホッとしたような笑み浮かべた。中年の男性は知らん顔をして、その場
を立ち去った。

 「あの男性、同じツアーの人よね。 邪魔しちゃったかしら?」
 「いいえ、偶然会って、しつこく話しかけられて、困っていたんです。
  ほんま助かりました。」
 「お一人だったの?」
 「同席の人と一緒だったですけど、お土産を買っている間に、一人で来て
  しまったんです。」
 「一人で参加すると、ホテルは相部屋になるのかしら?」
 「そうなんですよ。女性で一人で参加している人は、私を含めて3人が
  相部屋なんですよ。」
 「初対面じゃ、慣れるまで大変だわね。」
 「そうでもないですよ。女同士、直ぐ仲良くなって。ずっと前からの知り
  合いみたいで、結構楽しいですよ。」

posted by たかママ at 22:16 | Comment(0) | 日記
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