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2010年05月30日

偏屈

 期待していただけに、蕾の固い桜はがっかりだったが、初めて見る錦帯橋
に感動しながら、桜並木を散策した。
 途中、見覚えのある顔に出会った。

 「あの男性、同じツアーの人じゃないか? 確か、一人で参加していたよな。」
 「そう、ほら、遅れてきた女性3人組に、かなり厳しく文句を言っていた人よ。
  隣の若い女性も、同じツアーの人だわ。」
 「何か、雰囲気が悪そうだな。どうかしたのかな?」

私達はそれとなく、二人の側へ寄ってみた。どうも、男性が言い寄っている
ようで、女性が困っているふうだった。

 「あの男の人、バスの中でも隣の人とも殆ど話さないようよ。」
 「ホテルも、相部屋だろうに、会話もなかったら楽しくないだろうね。」
 「偏屈なのかしら? それでも、若い女性には声を掛けるのね。」
 「それにしても、女の人は困っているようだな。」
 「彼女も、単独で参加しているはずよ。同席の女性と結構お喋りしていた
  のに、一緒に行動してないみたいね。」

posted by たかママ at 22:55 | Comment(0) | 日記
2010年05月27日

錦帯橋

 バスガイドに念を押された3人組は、もう大丈夫とばかりに切り替えした。
  
 「そんなに念を押さんでも今度は大丈夫や。さっきは勘違いしてたんやし。」
 「△△時○○分やったな。分かった分かった。」
 「時間ないし、早よ、行こう行こう。」

 「今度、遅れて来はったら、待ってへんでぇ。置いていくしな。気いつけや。」
男性乗客が後ろから声を掛けた。

 私達もバスを降りて錦帯橋に向かった。木造のアーチ型錦帯橋を渡り桜並木の
土手へ降りた。例年より寒い春で、2分咲き程度で満開の桜を期待していた
ので、少しがっかりだった。


Kintai_bridge.jpg5連のアーチからなる橋は、
全長193.3m、幅員5.0mで、
継手や仕口といった組木の
技術によって造られている。


posted by たかママ at 22:59 | Comment(0) | 日記
2010年05月26日

 3人組が両手いっぱいにぶら下げてきた袋は、バスの移動中に自分達が
食べる為に買ってきたおやつだったのである。また、彼女達は食べる度に
いちいちコメントをする。セロハンの袋を開ける音と、食べる時のコメント、
賑やかというより、実にうるさい。周りの迷惑そうな表情など、気にする様子も
ない。

 「本当にうるさいなあ。女3人寄ると姦しい(かしましい)とはよく言った
  ものだ。他人に迷惑を掛けていると思わないのかなあ?」
 「思ったら、そんな態度とれるはずないわよ。自分達の世界に浸りきって、
  他人は眼中にないのよ。」
 「さっきも、出発に遅れてきても、悪びれる様子もなかったし、理解
  できないよ。」
 「あんまり楽しそうだから、怒る気にもならないけどね。」

 バスは錦帯橋に近づき、ガイドが観光の案内の後、出発の時刻を車内に
告げた後、3人組に念を押した。
 
 「出発時刻にくれぐれも遅れないようにお願いします。先ほど、時間を
  勘違いされたお客さん、○○分後、△△時○○分発です。宜しくお願い
  します。」

posted by たかママ at 23:17 | Comment(0) | 日記
2010年05月25日

3人組

 3人組は、他の乗客の剣幕に驚いた。

 「ええっ! 時間、過ぎてましたん? どないしよう?」
 「ほんまですか? 皆さん、ほんまにすんませんでした。」

3人は立ち上がって車内を見渡しながら、ペコリと頭を下げた。ガイドが
その場の空気を収めるように、発車を告げた。
 
 「それでは、皆さん揃いまいしたので、急いで出発したいと思います。
  出発の時間を間違えられてたようで遅くなられたようです。次から注意
  していただく事にして、ここは運転手さんに、少しスピードを上げて頂いて、
  遅れた時間を詰めて、次の目的地へ向かいたいと思います。」
 
 バスは次の目的地、錦帯橋に向かった。バスが走り出したとたん、3人組は
何事もなかったかのように、悪びれる様子もなくお喋りを始めた。同時に、
先ほどバスに乗り込む時にぶら下げていた、袋をガサガサいわせながら、
何か出して食べ出した。

 「あんた、さっき買うた団子、これ食べてみい。思ったより美味しいで。」
 「ほんま、当たりやったな。」
 「この饅頭も美味しいわ。」

posted by たかママ at 21:59 | Comment(0) | 日記
2010年05月23日

時間前

 車内には待ちくたびれて、イライラと諦めの空気が充満していた。
そこ彼処で、口々に不満を漏らす声がざわざわと聞こえた。
 
 「本当に遅いわね。とっくに出発の時間を過ぎているのに。」
 「いくらなんでも、もう戻ってくるだろうよ。」
私達が噂をしている頃、ようやく3人組が戻ってきた。それぞれに、両手
いっぱいにお土産らしき袋をぶら下げて、ニコニコしながら、ステップを
上がって来た。バスの中には、ホッとして安堵の溜息が漏れた。

 「遅うなって、すんません。」
 「それにしても、皆さん、早いとこバスに戻ってはるんですね。」
 「まだ、時間前ですやろ?」

それを聞いていた先ほど文句を言っていた男性が、少し声を荒げて言った。
他の客も同調した。
 
 「何を言ってはるんや! とうに時間、過ぎてはりますがな。時間、ちゃんと
  守ってもらわんと、かなわんわ!」
 「ほんま、もう待ちくたびれましたわ。」

posted by たかママ at 22:59 | Comment(0) | 日記
2010年05月20日

人間ウォッチング

 Kと私はバスの移動中、もっぱら人間ウォッチングをして、退屈しなかった。
もちろん、ガイドの名所旧跡の案内も聞き逃がしはしなかった。

 おばちゃんグループのマイペースにはいささか、他人の迷惑を顧みない
ところがある。
 あるサービスエリアでの事。出発時刻になっても、中年女性3人組が戻って
来ない。ガイドは腕時計に何度も目をやりながら、車中の他の客に申し訳なさ
そうに謝っている。
  
 「申し訳ありませんね。出発時間を間違えたのかもしれません。もう少し、
  お待ち下さい。」
 「時間、分かってるはずやろ? もう、待ちくたびれたわ。置いて行こうや。」

一人で参加してしている男性が、イラ付いた様子で声を発した。 

 「そんな事言わんと、もうちょっと、待ったらええやないですか? きっと、
  旅行を楽しんではるんすわ。 」

右隣の夫婦連れの夫の方の言葉に、かの男性は不機嫌そうに黙り込んで
しまった。

posted by たかママ at 21:55 | Comment(0) | 日記
2010年05月19日

パワー

 サトもタエも、一晩くらい親が留守しても心配ない年頃になってきたのだ。
むしろ、あれこれ言われなくて自由に出来るので喜んでいたのかもしれない。
幸い、兄妹、仲が良いのも、親としては安心だった。

 「あのおばちゃんたちのグループ、凄いパワーだな。圧倒されそうだな。」
 「それに引き換え、男はだめねえ。相席になった人と話す訳でもないし、
  旅行していても、ちっとも楽しそうじゃないわ。」
 「そうだな。男は仕事を離れると、人付き合いがうんと減るからな。もともと
  会社と言う狭い社会で生きてきたから、定年になっても、近所や地域とか
  今更、新しい出会いを求めたりしないのさ。元来、男は人見知りが激しい
  のかも知れないな。」
 「女の場合は、子供会、地域や学校の役員とか、仕事以外の付き合いを
  いくつも同時進行で行く訳じゃない? 人見知りだの何だの、御託を
  並べてたら生きていけないわよ。」
 「そうだなあ。女のパワーが凄いのは認めるよ。」
 「それにしても、一人で参加している人は、一人部屋かしら?」
 「たぶん、相部屋だろうな。一人部屋だと、かなり旅費が割高になるだろう
  しさ。」

posted by たかママ at 21:52 | Comment(0) | 日記
2010年05月18日

バスツアー

 バブル好景気の真っ只中、Kも私も仕事に収入がやっと見合うようになって
来た頃だった。忙しい仕事の合間を縫って、時には夫婦で旅行出かけた。
旅行くらいは自分で運転したくないと言うKの意向で、利用したのは一泊の
バスツアーだ。地元を発着するツアーもあり、もっぱら、それに参加した。
 
 安芸の宮島、岡山の錦帯橋など。参加者の9割が中年の女性だ。不思議な
ことにグループで参加しているのは女性が殆どである。私達のように夫婦で
参加しているのは僅かに2、3組くらいしかいない。他には、男性に単独の
参加者が2、3人というとこである。

 女性グループはバスガイドが観光名所の説明にもいちいち反応したり、感動
したり、ワイワイガヤガヤ、なんとも賑やかで楽しそうである。そして、見知らぬ
他人とも、同じバスに乗り合わせたよしみとばかりに直ぐ仲良くなる。サービス
エリアでの休憩の度に、何か食べ物を買ってきて、バスが動き出すや否や、
パリパリ、ガリガリ、お菓子やせんべいを開けて食べだす。実にパワフルだ。
かたや、男性陣は初対面の人とは殆ど言葉を交わさないのである。

posted by たかママ at 22:52 | Comment(0) | 日記
2010年05月16日

 「前に、白バイに捕まった事もあるらしいよ。親も警察に呼ばれたんだって。
  学校にも通報されたと思うよ。」
 「親も大変だねえ。でも、二人とも良い子なのに、どうしちゃったのかしら?」
 「親に反抗してるんちゃう?」
 「まあ、反抗期は反抗期だけど、度々、白バイやパトカーに追われるようじゃ
  困るわよね。」
 「前に、プロダクションにスカウトされた時、反対されてたでしょう? あれから、
  生活が乱れてきたみたいだよ。マキちゃんはエリちゃんに同情して、今も
  一緒につるんでいるんだって。勉強もあんまり頑張らなくなったらしいよ。」
 「そうなんだ。反対されたのがよっぽどショックだったのかなあ。もったいない
  ねえ。成績もよかったのに、これから高校受験もあるのに心配だわねえ。」

 小学校の延長で、エリちゃんとマキちゃんは、今もいつも二人一緒に行動して
いるらしい。少々、はみ出して悪ぶってはいるが、私から見ればタエの可愛い
幼馴染だ。行く末を案じて気が重くなった。 
 親として、子供の夢をどんな事情があるにせよ、決して壊してはいけないと、
しみじみ感じてしまった。

posted by たかママ at 21:55 | Comment(0) | 日記
2010年05月13日

ヤンチャ

 ハンドルを握っているのはエリちゃん。マキちゃんはしっかりとエリちゃん
の腰に捕まり、ミニバイクは蛇行運転を繰り返しながら、パトカーの追跡を
振り切ろうとしていた。乗っている二人に必死さはなく、むしろ、ゲラゲラ
笑いながらはしゃいでいるようにさえ見えた。
 二人の乗ったミニバイクは勢い良く細い路地に逃げ込み、パトカーは止む
無く、迂回して走り去ったようだった。
 私は、“捕まらなくって良かった”と、内心、ホッとしていた。家に帰って、タエに
そんな様子を話した。

 「エリちゃんとマキちゃん、バイクに二人乗りして、国道でパトカーに追い
  かけられていたわよ。」
 「また? あの子達、やったの?」
 「またって! 前にもパトカーに追いかけられた事があるの?」
 「この前は、白バイに追いかけられて、逃げ廻ってたって友達に聞いたよ。
  最近、ちょくちょくあるらしいよ。友達の間で噂になっているみたい。」
 「そう、二人ともどうしちゃったのかな?つっぱりとか、ヤンキーとかに
  なってしまったの? 悪い事してないよね。」
 「それはないよ。二人で、つるんでヤンチャしてはるだけみたい。ちょっと
  目立つけどね。」

posted by たかママ at 22:22 | Comment(0) | 日記
2010年05月12日

現実味

 エリちゃんは3人兄弟の末っ子で、上にお姉ちゃん、2番目がお兄ちゃん
である。両親は真ん中の一人息子を特に可愛がって、将来を期待している
と、人づてに聞いたことがあった。
 お父さんが、エリちゃんではなく、もしお兄ちゃんがスカウトされてたらOK
したかもしれないと聞くと、何だか噂が現実味を帯びてきた。
 その後もしばらくの間は、時々、エリちゃんとマキちゃんは連れ立って遊びに
来ていたが、芸能界入りを諦めたのか、再び話題に上がる事は無かった。
 学年が上がるにしたがって、タエの友達もいろいろ変わって来た。クラスが
別々になった事もあり、二人が我が家を再び訪れる事はなかった。
 私が、二人の姿を見かけたのは、中学生になってからの事だった。

 買い物帰りの車の横を、猛スピードで二人乗りのミニバイクが通り抜けた。
後ろからけたたましくサイレンを鳴り響かせながら、パトカーが追いかけて
きた。私は車を端へ寄せて、ミニバイクとパトカーの通り過ぎるのを待った。
 通り抜けていくミニバイクには、お揃いの紫色の大きなリボンを頭に着けた
二人の少女が乗っていた。私は二人の顔を見て、腰が抜けるほど驚いた。
久しく、顔を見ていなかったが、エリちゃんとマキちゃんに間違いなった。

posted by たかママ at 22:01 | Comment(0) | 日記
2010年05月11日

反対

 「忙しいのは忙しいねんけど、プロダクションに入ったんやからって、必ず
  成功するとは限らへんやろ? デビューするまでに、親の持ち出しも馬鹿に
  ならへんやろし。なにより、お父さんが反対してはるんやわ。」
 「そうなの? エリちゃんがスカウトされたって話を聞いたとき、やっぱりね
  と思ったのよ。でも、お父さんやお母さんが反対しているなら、仕方ない
  わね。」
 「でも、エリがなかなか納得してくれなくてな。最近は、やたら反抗的で
  困ってるんや。」
 「うちに来た時は、そんな風に見えなかったわよ。マキちゃんやタエとも楽し
  そうにしていたし、スカウトの事も残念そうだったけど、それほど深刻な感じ
  じゃなかったわよ。そんなに心配しなくても、そのうち落ち着くわよ。」
 「そうやと良いんやけど、頭、痛いわ。ま、これがお兄ちゃんの事やったら、
  また話が違うねんけどな(笑)。」
 「お兄ちゃんなら、ご主人が反対しないって事?」
 「たぶんな。お父さんは息子の事やったら、何でもかんでもOKなんや。」
 「でも、家族が一緒の時にエリちゃんだけがスカウトされたんでしょう?」
 「そうなんや。それがまた、お父さんが気に入らんかったやな。それで、
  きつう反対してはるとおもうんや。これもまた、母親としては頭の痛い
  ことなんや。」

posted by たかママ at 22:37 | Comment(0) | 日記
2010年05月09日

立ち話

 それ以来、度々、エリちゃんとマキちゃんは我が家に遊びに来るように
なった。私も、2人が遊びに来ると、学校でのタエの様子を聞くことが出来る
ので、楽しみにするようになった。口の重いタエは、こちらから聞かないと
あまり話さなかったので、2人に聞いて学校での様子など良く分かったの
だった。  
 エリちゃんのお母さんとも、子供達が保育園以来の知り合いである。買い物中
に子を合わすと、子供たちの話題で、しばしば立ち話で時間を忘れた。
 ある日もスーパーで出会い、話題はエリちゃんがスカウトされた話になった。

 「エリちゃんに聞いたわ。プロダクションにスカウトされたんだって?」
 「そうやねん。四条で買い物に行った時、突然、声をかけられビックリして
  なあ。エリがその気になってしもうて、困ったわ。」
 「エリちゃん、可愛いし、目立つし、見るから芸能人って感じよ。スカウト
  されたって聞いて、“あっ、やっぱり”って、思ったわよ。でも、怪しい
  プロダクションじゃないんでしょう?」
 「プロダクションは大丈夫や。大阪でも有名なプロダクションらしいわ。」
 「それじゃ、何か問題でもあるの? 仕事が忙しいし、エリちゃんに付いて
  いってあげる暇が無いか?」

 エリちゃんの両親は、会社を経営しているので、きっと、忙しいから反対
しているのかなと、私は勝手に思っていた。

posted by たかママ at 21:49 | Comment(0) | 日記
2010年05月06日

芸能界

 「そうやねえ。中には悪いプロダクションもあるって、おばさんも聞いたことが
  あるよ。歌やお芝居のレッスンのお金を取って、なかなかデビューさせて
  貰えない人もいるらしいよ。」
 「うん、おかあさんもそう言わはった。でも、おばちゃん、私ね、雑誌のモデル
  とか、テレビにも出たいし・・・。」
 「そうか、エリちゃんは芸能界に入りたいんや。お母さんが反対している
  んじゃ、難しいわねぇ。今はまだ小学生だから、レッスンに行くにしても、
  お母さんに付いていって貰わなくてはいけないでしょう? エリちゃんの
  お母さんはお仕事が忙しいから、それも、出来ないから反対しているんだ
  と思うよ。今は無理でも、もう少し大きくなって、自分ひとりで何処へでも
  行けるようになったら、オーディションを受けて、芸能界に入ったら?
  エリちゃんなら、きっと大丈夫だよ。」
 「そうや、そうや。エリちゃん、可愛いし、中学生になってからでも良いやん。」
 「エリちゃん、賢いし、可愛いし、絶対人気が出るって。そしたら、私達も芸能人
  の友達になれるやん。キャッハハハハ。」
 「そやな、キャッハハハハ。」

 お母さんは、芸能界入りに反対しているので、エリちゃんは子供ながらに、
悩んでいたのだ。エリちゃんは私の目から見ても、利発で、さぞかし美しい
娘さんなるだろうと想像できる程、色白で大きな瞳が魅力的な女の子である。

posted by たかママ at 23:25 | Comment(0) | 日記
2010年05月05日

スカウト

 3人はワーワーキャーキャー言いながら、手作りの着せ替えで遊んでいた。
今まで、我が家に女の子のはしゃぎ声が聞こえた事はなかった。男の子と
ばかり遊んでいたタエが、今度ばかりは、間違いなく女の子だったのだと、
改めて思ったものだった。
 マキちゃんが突然、立ち上がって、私に声をかけた。
 
 「おばちゃん、エリちゃんなあ、スカウトされはってんて。」
 「ええっ、そうなの。スカウトって、テレビや映画の子役とかモデルとか?」
 「うん、プロダクションの人がタレントにならへんかって、言わはってん。」
 「すごいわねえ。エリちゃん、目もパッチリと大きくてかわいいもの。きっと、
  人気が出るかも知れないわよ。」
 「でも、お母さんがあかんて、言わはるし、駄目かもしれない。」
 「そうなの? エリちゃん、まだ小さいし、学校もあるから、お母さん、きっと
  心配しているのよ。」
 「ううん。おばちゃん、心配してるのとちゃうねん。」
 「何か他に訳があるの?」
 「プロダクションみたいな所は、金儲け主義やし、騙されるかもしれへん
  ねんて。」

posted by たかママ at 23:00 | Comment(0) | 日記
2010年05月04日

自作

 「な、マキちゃん、うちらも自分でドレスとか、描いて作らへん?」
 「そうやな、私もタエちゃんみたいに自分で描こうかな。」
 「タエちゃん、画用紙とクレパス貸して。」
 「私も。」

 タエは引っ張り出した折り畳みの座卓に画用紙とクレパス、鋏を準備した。
3人は着せ替えの遊びをそっちのけに、画用紙に思い思いに、自作の着せ替え
の絵を描き始めた。

 「な、この女の子可愛いやろ? リボンもつけよう。」
 「私も、男の子の着せ替えも作ろうかな?」
 「でも、男の子の絵は難しいわ。タエちゃんは上手やなあ。」
 「私は、女の子の方が難しいんやけど。」
 「そうや、男の子の人形はタエちゃんに描いて貰おう。いいやろ?」
 「いいよ。じゃあ、女の子はエリちゃんが描いてくれはる?」
 「うん、分かった。洋服は自分で描くんやで。」
 「ええっ、女の子のドレスは難しいわ。ドレスも描いてくれない?」
 「あかん、あかん、皆、服は自分で考えて描くんやで。」

posted by たかママ at 22:11 | Comment(0) | 日記
2010年05月02日

キャハハハ

 エリちゃんとマキちゃんは、タエと保育園の時からの幼馴染で、クラスメート
である。
 二人は持って来た着せ替えの道具を、それぞれにバッグから出して、お互い
に見せ合っていた。タエの着せ替えを見て二人は、歓声を上げた。

 「タエちゃん、それ、自分で描いたん?」
 「うん、そうや。」
 「いやあ! かわいいやん。タエちゃん、上手やな。洋服も、帽子も、靴も
  作ったんや。」
 「ほんま、上手やわ。男の子も可愛いなあ。」
 「お母さんが買ってくれるって、言ったけど、私が自分で作るって言ったの。」
 「何で? 買って貰ったら良かったのに。たくさん、可愛いのが売ってるで。」
 「うん、知ってる。でも、私、女の子のひらひらのドレスとか、くりくりの
  髪の毛とか、あんまり、好きやないから。」
 「そうやな。タエちゃん、ドラえもんとか好きやしな。」
 「ドラえもんの着せ替えなんて、青い服しかないな。キャハハハ。」
 「それは、可笑しいわ。ドラえもんはロボットやし、洋服なんて着てへんやん、
  キャハハハ、ハハハ。」
なんとも賑やかで、楽しそうな声が、家中に響いた。

posted by たかママ at 23:23 | Comment(0) | 日記
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