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2009年11月29日

灰汁洗い

 細かい部分は、社長に任せる事にした。
 
 「壁は砂壁やからクロス張りは無理やなあ、吹き付けの壁にして、玄関の
  上がり框と階段と廊下はクロスカーペットを貼りましょう。台所は流し台の
  交換、床はビニールカーペットを、これは、うちにある在庫でサービスします
  よって、任せてもらってよろしい?
  それに、全体に灰汁洗い(あくあらい)もしておきましょう。」

 “灰汁洗い” ・・・初めて聞く言葉だった。

 「灰汁洗いって、なんですか?」
 「灰汁洗いは、家全体を洗う、つまり、ハウスクリーニングのことですがな。]
 「家、全体を洗う事ができるんですか?]
 「そうです。最近は中古の家の場合、灰汁洗いで綺麗にするのを薦めて
  いるんです。前の住人の生活の臭いとか、垢とかが残っていて気になり
  ますよね。天井とか柱とか、タバコの脂がガラスや扉に染み付いている
  こともあります。その、もろもろの汚れを落としてくれる専門業者に
  落として貰いましょう。新築のようにピカピカになりますよ。」

 費用は、全部 占めて50万円也。

posted by たかママ at 21:52 | Comment(0) | 日記
2009年11月26日

図面

 翌日、工務店の社長と、Mさんの引っ越した後の家で待ち合わせた。
社長は、あちこち覗いては、何やらぶつぶついいながらメモを取っていた。

 夕方、Kが帰ってくる時間に合わせて、社長は簡単な図面を持ってやって
来た。社長は図面を広げ、話し出した。
  
 「午前中に奥さんと一緒に見に行かせて貰って、いろいろ考えたんです
けんど、風呂場は30センチ、外へ出して広げましょう。」
 「隣との境界線が狭いようだけど、広げられますか?」
 「外から裏へ廻る事は出来なくなりますけど、30cm広げると二人用の浴槽
  が入れられますんや。」
 「トイレは洋式の便器に変えてもらえたいのですが。」

 今の借家に、東京から引っ越して来た直後、タエが和式の便器に片足を
突っ込んで、大騒ぎしたことを思い出した。

 「トイレは簡易水洗にしましょう。この市はまだ下水道が完備していないので、
  今のところ簡易水洗が一番ええと思います。これだと、便器を取り替える
  だけで、大掛かりな工事はいりまへんしな。」

posted by たかママ at 21:47 | Comment(0) | 日記
2009年11月25日

工務店

 Mさんは、12月15日までに家を明け渡してくれることになった。改装は
それ以後になる。とりあえず、お風呂とトイレの改装を優先したいと思った。
 サトの友達のリキちゃんの父親のUさんが左官屋さんだったことを思い
出して、お風呂とトイレの改装をお願いに行った。
 Uさんんは室内の改装も含めて、自分の請け負っている近所の工務店に
任せることを勧めてくれた。
  
 「わしが水周りだけしてもええねんけど、室内の改装や畳替えなんかも、
  また、別にどこかに頼まはることになりますやろ? そんなら、工務店に
  一緒にやって貰うたほうがよろしいんとちゃいますか? 社長には、
  わしの方から連絡しときます。」

 工務店は購入した家と同じ町内にあり、周りの人達からの信頼が厚いことで
知られていた。夕方、工務店の社長がやって来た。
 「明日、空き家になった家を見せて貰うてから、どこをどう直すか検討
  してから、決めても遅うはないですよ。」
 「クリスマスか、遅くても年末までに引っ越したいと思ってますけど、間に
  合いますか?」
 「10日はありまへんなぁ。ちょっと、厳しいかもしれまへんが、何とか
  間に合わしましょ。」

posted by たかママ at 21:59 | Comment(0) | 日記
2009年11月24日

締結

 当時はバブル景気が到来する少し前、公定歩合が5.6%前後だったと
記憶する。その時の私達の住宅ローンの金利は8.7%位だったと思う。
信じ難いような高金利であった。それでも、他に選択肢の無かった私達は、
信用保証協会の保証のみで住宅ローンが組めた事に感謝していた。
 
 契約締結後、即住宅購入金額がKの預金口座に振り込まれた。日本ハウ
ジングビルに隣接するK銀行の本店のロビーでは、売主のMさん夫婦が
私達の来るのを今か今かと待ちかねていた。Kの預金を素通りして、ローンの
お金はMさんに全額、が渡り、契約が終わった。17.5坪の小さな家が私達
の手に入ったと同時に、15年の住宅ローンが始まった瞬間だった。

 「こないな、大金見たことないなぁ。」
 「本当にこういう事でもない限り、目にする金額じゃないですよね。」
 「ほんま、でも、うちも直ぐに新しい家のローンに消えてしまうんやわ。
  なんや、 切ないなあ・・・。」
二人の妻の会話を、夫達は黙って聞いていた。

 なぜ、あの時は振込みでなく、現金決済だったのか? 
今、考えてもその理由は定かでない。

posted by たかママ at 21:52 | Comment(0) | 日記
2009年11月22日

契約

 いよいよ、本契約を交わすため、私達は不動産屋に案内されて、日本
ハウジングに行った。車中、私は何度も“ふぅ〜っ”と、ため息を吐いた。
今までのあれこれを思うと、やっと契約に漕ぎつけたことに胸が一杯だった。

 日本ハウジングローン京都支社は京都の中心地、四条通りに面したビル
の中にあった。こじんまりした事務所では、担当の支店長がにこやかに迎え
入れてくれ、ローン契約の手続きはスムースに行われた。
 
 「ローンの期間は、何年になさいますか?」
 「通常、他の方は何年くらいで組まれるんでしょうか?」
 「そうですね。皆さん、事情によっていろいろですが、中古住宅の場合
  25年くらいが多いですね。」
 「自営で、ボーナスがありませんので、均等払いでお願いします。お父さん、
  何年にする? 20年位?」
 「いや、20年は長すぎるよ。15年でお願いします。」
  15年で良いんですか? 私共は銀行と違って、住宅専門の市中金融です
  から、金利が高いのは承知して頂いていると思いますが、15年ですと、月々
  の支払いが86、000円程になりますが、よろしいですか。」
 「結構です。月々の支払いは多くても、出来るだけ早く借金は返したいので、
  それでお願いします。」 

posted by たかママ at 21:10 | Comment(0) | 日記
2009年11月19日

保険証券

 早速、不動産屋に連絡して事情を話し、日本ハウジングに保険証券で承諾
して貰えないか問い合わせてもらった。
 間もなく、保険証券でもOKという返事が返ってきた。
 
 「日本ハウジングの方は保険証券でもOKということなんですが、ただ、解約を
  した場合のおおまかな金額を保険会社に問い合わせて、確認して置いて
  欲しいとの事です。金額が確認出来次第、ハウジングローンの会社に
  正式にローンの申し込み手続きに行きましょうか?」

 Kの生命保険は、サトが生まれて間もなく、私が勤めていた保険会社で
入った保険である。営業をしていた私にとって、解約返戻金の計算は会社に
問い合わせるまでもなくお手の物だ。保険の約款を引っ張り出し、自分で
解約返戻金の計算をした。
 10年以上掛けた保険の返戻金は、2、3ヶ月のローンを支払っても余り
ある、充分な金額になっていた。
 
 「生命保険も馬鹿にならないわねぇ。10年以上も掛け続けていると結構な
  金額になっていて、本当に助かったわ。」
 「そうだよな。これがあったお陰で、ようやくローンが組めるんだから、
  生命保険様々だなぁ。」

posted by たかママ at 22:30 | Comment(0) | 日記
2009年11月18日

親子の情

 予想はしていたが、あまりにきつい義母の言葉に、私はショックを受けた。 
親子でも心が行き違うと、こうも冷たく突き放せるのか、何だかKが可愛そう
だった。

 「お義母さん、やっぱり駄目だったわ。」
 「相当、きつい事を言われただろう? だから、止めとけって言っただろう。
  本当に俺の親なのかと情けなくなってしまうよ。親子の情で、コピーくらい
  何とかしてくれると思った俺が馬鹿だったのさ。」
 「定期預金のコピーが貸してもらえないとなると、他に方法を探さなくては
  いけないわね。」
 「そうだなぁ・・・。 何か良い考えは無いか?」
 「生命保険の証書では駄目かしら?」
 「生命保険の証書じゃ、お金の裏づけにならないだろう?」
 「証書そのものには額面はないけど、解約したら、ある程度の金額になると
  思うのよ。」
 「そうか! かなりの期間掛けているから、結構な金額になるかもしれないな。」
 「明日、不動産屋さんに、生命保険の証書で良いかどうか、日本ハウジングに
  問い合わせてもらいましょうよ。」
 「そうだな。背に腹は変えられない。早速、聞いてみてくれよ。」

posted by たかママ at 22:15 | Comment(0) | 日記
2009年11月17日

つっけんどん

 久しぶりに電話に出た義母は、何の用で電話をして来たのかと言わん
ばかりつっけんどんな対応だった。私は義母の機嫌を損なわないようにと、
やんわりと話した積もりだった。

 「Kさんに聞いて下さったと思いますが、私達もようやく家が持てそう
  なんです。」
 「・・・・・・。」
 「今、契約を交わしてる最中なんですが、お義母さんにお願いしたい事が
  あって、お電話させて頂いたんです。」
 「さっき、Kから電話があって聞いてるさ。」
 「Kさんも、先ほどお願いしたと思いますが、契約の時、どうしても見せ金
  の裏づけが必要なんです。以前、Kさん名義の定期預金があるって
  おっしゃってましたよね?
  その定期預金証書の写しを貸して頂けませんか?」
 「それは出来ません。
  Kは前の時に、親でもない子でもないと啖呵を切った筈。
  今更、お前達が家を買うのに私達が何で協力をしなければならないのさ!」
 「お金を下さいと言ってるんじゃないんです。証書の写しを見せるだけで
  良いので、契約の手続きが終わったら、必ずお返ししますのでお願い
  します。」
 「何と言われても、駄目なものは駄目さ!」
 「そうですか・・・。
  すみませんが、お義父さんとお話させて貰えませんか?」
 「きっと、父さんも駄目というに決まっているさ。お前達が家を買おうが
  買うまいが私達には何の関係も無いさ。二度と電話して来るんじゃない!!」

posted by たかママ at 22:16 | Comment(0) | 日記
2009年11月15日

電話

 Kは帯広の母へ電話をした。実に前回、同居の計画が駄目になって以来
の事だった。Kは私に席を外すように合図した。母親との会話を聞かれたく
なかったらしい。私はKが電話をしている間、表に洗濯物を干しに出ていて、
2人の会話の内容を知る由も無かった。

部屋に戻ると、Kが不機嫌な顔で吐き捨てるように言った。
 「まったく話にならないよ。期待した俺が馬鹿だったよ。とにかく、今晩
  もう一度相談しようよ。」
 「駄目だったの? お金を出して欲しいとでも思ったのかしら?」

私の問いかけに返事もせずに、出かけて行こうとしているKに声を掛けた。
 「私がもう一度、お義母さんにお願いしてみようか?」
 「よせよせ。あんな分からず屋の親に、何を話しても無駄だよ!
  気分が悪くなるだけだよ。」

 詳しい事は聞いてなかったが、そのままにKが帰ってくるのを待っている
訳にも行かず、帯広の義母に電話を入れることにした。

posted by たかママ at 21:50 | Comment(0) | 日記
2009年11月12日

裏づけ

 正式にローンを組むに当たって、新たな問題が生じた。私達は、現金は
頭金だけあれば良いと思っていた。だが、不動産屋に支払う手数料や改装
などに7、80万円の現金を用意しなければならなかった。
 更に、日本ハウジングの方も2、3ヶ月分のローン支払い額に相当する
手持ち資金の裏づけを要求してきた。定期預金の類を持ち合わせない私達は
裏づけになる物を提示して欲しいと言われ、途方にくれた。
 考えあぐねたKは、帯広の父がK名義で定期預金をしてくれていたのを
思い出した。以前、同居の話が持ち上がった時、その3000万円の定期預金を
頭金にする予定だったのだ。

 「お袋電話して、定期預金証書のコピーを送って貰う事にするよ。
  日本ハウジングもコピーで良いって言っていたし、頼んでみるよ。」
 「最近、ほとんど音沙汰がないのに、こんな頼み事して大丈夫かな?
  もう、解約してしまったかも知れないわよ。」
 「いや、大丈夫だろう。大金を使って何か買ったなんて聞かないし。
  それにその定期預金をくれって言う訳じゃないし、コピーぐらいして
  くれるさ。」
 「そうよね。私達が家を買う事も喜んで、送ってくれるわ。」

 しかし、自分達の考えが甘い事に気づかされる事のなろうとは、その時は
思いも及ばなかった。

posted by たかママ at 23:56 | Comment(0) | 日記
2009年11月11日

最後の望み

 翌日、私は不動産屋に連絡して、私達に保証人を立てられない事情を
説明した。

 「保証人を立てなくても、住宅ローンを組んでくれる金融機関はありませんか?
  他に方法は無いのでしょうか?」
 「もう一つ、“日本ハウジングローン”という、住宅ローン専門の金融会社が
  あるんですよ。」
 「日本ハウジングローン? 初めて聞く社名ですね。本当に大丈夫なん
 ですか?」
 「決して、怪しい会社ではありませんので、心配いらないですよ。保証人が
  要らない分、信販より金利が高くなりますが、そこなら、間違いなくローンを
  組む事が出来ると思います。お宅のように事情があって保証人が立てられ
  ない方がたくさん利用されていて、住宅ローン業界では、かなり名が通って
  いる会社なんです。」

 私達は不動産屋の勧める、“日本ハウジングローン”という会社に、最後の
望みを託して書類を提出した。
 一週間ほどして、不動産屋からローンが組める事になったと連絡が来た。
住宅ローンを組もうと銀行に書類をを出してから、3週間が経っていた。
やっと、念願のマイホームに手に届くところまで行き着いたのだった。

posted by たかママ at 21:49 | Comment(0) | 日記
2009年11月10日

信販

 信販のローンに不安を持ちながらも、折角のチャンスを逃したくないと
Kは不動産屋に書類の提出を依頼した。3日ほどして、返事がきた。
 「書類の方はOKなんですが、保証人を一人立てて貰いたいと言って
  いるんですよ。誰か、保証人になってくれはる人、居てはりませんか?」
 「保証協会の保証も受けるんですよね? その他に保証人が必要なん
ですか?」
 「そうなんやけど、こっちに来てから間なしですよね。5年位ですか? 
  それで、言うてるんやと思います。」

 保証人といっても、保証人になってくれそうな知り合いは、今では行き来
していないKの姉夫婦しかいない。Kは義兄に保証人になって貰うのを
嫌がった。
 「知り合いが居ないのだから、お義兄さんに頼むしかないわよね。」
 「そうだなぁ。でも、喧嘩別れして以来、付き合ってないし、今更保証人に
  なってくれとは言いたくないよ。前にも、両親と一緒に住む計画があった
  時さ、姉にゴタゴタ言われただろう・・・。俺にも、プライドがあるし、何が
  あっても頼むつもりは無いよ。」
 「そうねぇ。まだ方法があるかも知れないわ。もう一度、不動産屋さんに
  相談してみるわ。」

posted by たかママ at 21:21 | Comment(0) | 日記
2009年11月08日

ローン

 ローンを組んだ経験の無い私達は、銀行に断られてしまったら、
他に成す術が無いと思っていた。“銀行ローンが組めない”と、不動産屋
から連絡を受けた私はすがる思いで言った。
 「銀行ローンが駄目だと、諦めるしかないでしょうね。他に方法は有りません
  よね?」
 「いやいや、銀行が駄目なら、信販という手もありますよ。銀行に比べて、
  審査は緩いですが、その分利率が少し高くなりますけど、一度、書類を
  提出してみはりますか?」

 Kは、信販会社の住宅ローンに抵抗感があるようだった。今では、クレジット
カードや消費者ローンなど珍しくもないが、その頃は自分の生活とは関係がない
ことのような気がしていた。

 「信販てサラ金と違うのか? そういう所でローンを組んで大丈夫だろうか?」
 「自営業の人は、収入の関係で銀行ローンが通らない事が多いらしいわよ。
  そういう人が、信販を利用してローンを組むのは珍しくないそうよ。
  銀行も提携している信販会社を紹介する例もあるんだって。お父さんが
  信販を利用するのが、どうしても嫌って言うなら、止めてもいいわよ。」

posted by たかママ at 21:23 | Comment(0) | 日記
2009年11月05日

5年目

 取りあえず、家族の意見が一致したので、Mさんに連絡を取って、不動産屋
に会う事にした。購入手続きに必要な書類を揃えるのは私の仕事だ。収入の
証明、印鑑証明等々、仕事をそっちのけで走り回った。

 京都へ来て、やっと5年目に入ったところだ。自営業になって実績もない。
前回、両親との同居の問題が白紙になった時点で、収入の裏付けが必要に
なった時のために、廃品回収業の収入を確定申告していた。私の友禅の
収入は、Kの収入に合算して申告して、私は専従者従業員として、給料を
貰う形にしたのだった。この確定申告書3年分の写しが収入証明になった。

 契約手続きに入って、実績が短いということと、収入が不安定ということも
あったのか、銀行の融資が降りなかった。
 銀行ローンが受けられないということは、今度もまた家を買うことを諦め
なければならないかも知れない。私は気落ちしてしまった。
 
 「今度も、駄目かしら?
  私達は一生、家を持つ事は無理なのかしらねぇ・・・。」
 
私は何度も、溜息をついた。

posted by たかママ at 22:13 | Comment(0) | 日記
2009年11月04日

地域

 「価格も50万円引いてくれるそうよ。頭金も私達の言う金額でいいん
  だって。」
 
 Mさんが新築の家に引っ越して、空き家になったので、皆で見に行った。
私はやはり、風呂の狭さにこだわって、それだけで買うのを止めたくなって
いた。Kは、地域が気に入っていた。私鉄とJRの中間地点にあり、どの駅
にも10分足らずで行ける。市役所、銀行なども隣接していて、この町のほぼ
中心地の住宅地である。

 「この辺は便利だし、しばらく、このまま住んで、何年か経ってから、改築
  してもいいんじゃないかな? お風呂もトイレも改装してもらったら、良く
  なるよ。俺達にはこのくらいが分相応ってとこだろう。」

 タエは2階があるので、大喜びで上ったり降りたり、おおはしゃぎだ。
 「お母さん、お母さん、2階があるよ。私の部屋は2階やね?」

 サトは背中合わせになっているOさんの家が気になっていたらしく、
南側のベランダ越しに覗いてしきりに確認していた。Oさんの家は斜め後で
あまり、気にしなくても良さそうで、ホッとしていた。

posted by たかママ at 22:26 | Comment(0) | 日記
2009年11月03日

裏の家

 「しかし、俺達の条件では、これくらいが分相応ってとこだろうな。お母さん
  が納得できるんだったら、俺は文句ないよ。」 

サトが突然、口を挟んだ。
 「お母さん、M君の家の裏の家は、もしかしてOさんの家とちゃう?」
 「Oさんって、小学校の時の同級生の女の子のTちゃんのこと?」
 「そうだよ。それだったら、そこの家、僕はいやや。」
 「どうして、嫌なんだ?」
 「お父さん、そいつ、クラスで一番の乱暴者だったんだよ。」
 「だって、女の子でしょう?」
 「そう、男子の中でも、一番の嫌われ者だったんだ。大声で怒鳴るし、
  机や椅子は蹴飛ばすし、男の子も皆、怖がっていたんだ。」
 「でも、裏だし、ほとんど顔を合わせる事もないないと思うよ。」
 「サトの気持ちが分からない訳ではないけど、お父さんにとって、一生に
  一度の大事な事なんだ。今度のチャンスを逃がしたら、二度と家を買う
  チャンスは無いと思うんだ。お父さんにもっと力とお金があれば、もう少し
  大きな家を買えるかも知れないけどな。とにかく、一回、皆で見に行って
  から、最終的な結論は出そうよ。」

posted by たかママ at 20:58 | Comment(0) | 日記
2009年11月01日

正方形

 私が一番驚いたのは、お風呂の狭さであった。広さは1畳ほどで、正方形
の浴槽と残りの半分は洗い場である。以前にも、友人の家で同じ状況を見た
ことを思い出した。

 「これでは、ゆっくり足を伸ばして入る事は出来ないわね。」
  との私の問いに、彼女は済まして答えていた。
 「そやけど、水は少なくて済むし、早く沸くし、経済的やで。それに、足は
  伸ばせなくても、膝抱いて入ったらええのんや。」

 一通り室内を見せてもらって、家族で相談した後、返事をするということで
Mさん宅を失礼した。

 夕食後、皆で話し合った。Kも子供達も、私の感想を心待ちにしていた。
 「家は小さいけど、建付けはしっかりしていたわよ。安普請の建売住宅の
  場合、階段を上がって行くと、何となく揺れるような不安定は感じがする
  でしょう? そんな事はなかったわね。室内は改装するようになると思う
  から良いけど、でも、お風呂がねぇ・・・。それに、トイレも和式の汲み取り
  だったの。」

posted by たかママ at 21:17 | Comment(0) | 日記
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