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2009年07月09日

学校休もうかな?

 「サト、どうしたの? 元気ないわね。」
 「お母さん、僕、明日、学校休もうかな?」
 「どうして? 今日、先生から電話あったわよ。K君、生活指導の先生に
  ものすごく怒られたんだって? もう、意地悪しないだろうって先生が
  言っていたよ。」
 「うん。僕もT君と一緒に、その現場を見たから、知っている。」
 「そうなの。でも休みたかったら、休めば。少しくらい休んだって大丈夫よ。
  行きたくなかったら、休んだっていいんだよ。子供だって、嫌な事いっぱい
  あるもんね。」
 「K君、I 先生に職員室に連れて行かれて、ひどく怒られたんだって。
  目の上に青タンが出るほど、殴られたんだって、クラスの友達が見たって
  言っていた。明日、その事で仕返しされないかなぁ?」
 「サトは仕返しが怖くて、行きたくないんだ。」
 「そうでもないけど、何だか行きたくない。」
 「本当に心配だったら、休んでもいいよ。明日、土曜日だし、日曜日と
  2日間続けて休めば、また来週から元気良く学校へ行けるようになるから。」
 「お父さんに叱られないかなぁ?」
 「大丈夫、お父さんも分かってくれるよ。」

サトはようやく、ホッとしたような笑みを浮かべた。

posted by たかママ at 22:17 | Comment(0) | 日記
2009年07月08日

I先生

 「意地悪を注意された腹いせに、今度は暴力を振るうのか? 最低やな。
  弱い者いじめをして、何が面白いんだ! 良く考えてみろや。身長の差も
  20センチはあるやろう? 誰が見てもお前が強いにきまっているやん。
  弱い者をかばってやるのが男やろが。」

 サトとT君は、I 先生のものすごい剣幕に震えた。 I 先生は二人に
クラブ活動に行くように言って、K君を職員室へ連れて行ったという。

 意地悪をされる度に、私が学校に直接行って相談するとサトに言っても
“自分で何とかするから”と、止められてきた。この日も、今日は大丈夫だった
だろうか? 不安に思っていたところに、担任から電話を貰った。
 
 「度々、ご心配をお掛けしていますが、今日、生活指導の主任が、苛めの
  本人を捕まえて、厳しく注意をしました。帽子やカバンの件も、サト君に
  意地悪をしていたKという子でした。親御さんも学校に呼んで注意しま
  したので、もうご迷惑をお掛けする事はないと思います。二度とこの
  ような事が起きないようにいたします。」
と言うような、内容だった。もちろん、それ以降、目立った意地悪はなかった。

 しかし、帰ってきたサトは、あまり、元気がなかった。

posted by たかママ at 22:47 | Comment(0) | 日記
2009年07月07日

生活指導

 サトはのけぞりながら、必死に抵抗した。T君はK君を羽交い絞めにして、
サトから引き離そうとやっきになった。T君も、自分より上背のあるK君を
引き離すのは、なかなか出来なかった。
  
 「こら! お前達、何をしとるんじゃ!」

 その時である。大きな声で駆け寄った来た教師がいた。生活指導の I 先生
だった。 I 先生は、学校一怖い先生という事で、生徒達から恐れられていたのだ。
驚いたK君は逃げ出そうとしたが、あえなく、その学校一怖い I 先生に捕まって
しまったのだ。
 往復ビンタでひるんだK君を、I 先生は蹴り倒したという。現在なら、間違いなく
暴力教師のレッテルを貼られてしまうに違いない。
 
I 先生はクラス担任や、音楽の先生から、サトがK君のいじめのターゲットに
なっていると聞いていたので、クラブ活動に行く時間に合わせて、様子を見に来た
所だったのだ。

 「お前か! Kというのは! こんな事をしていいと思っているのか? サトの
  帽子の紐やカバンのベルトを切ったのも、お前か! んんっ!」
 「・・・。」

posted by たかママ at 22:41 | Comment(0) | 日記
2009年07月05日

同級生

 三人の小競り合いを、音楽の教師は厳しく注意した。特に、意地悪をした
K君はひどく怒られたのである。
 T君はK君と同じT小学校の同級生だった。お互いに相手の事は十分
知っていたのである。T君は、小学校の時からクラスのリーダー的存在
だったそうだ。そんな、T君が“承知せえへん!”と言ったので、K君はサトに
攻撃するのを止めたらしい。
 T君はサトと同じ野球部で、そんな事がきっかけになったのか、その後、
二人は親友と言えるくらいの関係になった。互いに家庭を持った現在も
家族ぐるみの付き合いが続いている。

 音楽の授業のあった日の放課後、野球部の練習に向かうサトとT君を、K君
が待ち伏せしていた。K君は、音楽の授業の時に、先生に厳しく怒られた事を
根に持って、サトに仕返しをしようとしたようだ。
 
 「お前のせいで、先生に怒られてしまったやんか!」
 「関係ないのに、お前が僕の事を蹴飛ばしたやんか! 怒られたのは自分
  が悪いからやろ!」

K君はT君の制止を振りきり、サトの学生服の首を締め上げ、校舎の壁に
押し付け、わめいた。

posted by たかママ at 21:21 | Comment(0) | 日記
2009年07月02日

メロディー

 「サト、捻挫でもしたの? 気を付けなくちゃ、だめじゃない。」
 「捻挫じゃない! Kのやつに蹴飛ばされたんだ!」
 「蹴飛ばされたって? どうしたの?」

 音楽の授業の時、K君に後ろから蹴飛ばされたと言う。音楽は別棟の音楽
教室へ移動して行われる。サトは音楽は好きだが歌うことが苦手である。聴力
の欠損している部分のメロディーが聞こえない。したがって聞こえるメロディー
だけで歌うので、世間で言う音痴の状態になるのである。小さい時は、歌も
口ずさんだりしていたが、年齢が行くと共に、だんだん歌わなくなった。
 今日の音楽の授業で、皆で歌う時、サトは歌わないで聞いていたそうだ。それ
を目撃したK君が後ろから、何度も蹴飛ばしたという。

 K君 「歌えや!おい、歌え!早よ、歌わんかい!」
 サト 「何をするんや! 止めろよ。」
 T君 「お前に関係ないやろ! 止めろや!」
 K君 「やかましいわ! お前こそ、関係ないやろ!」
 T君 「止めへんかったら、先生に言うたるぞ。それに、休み時間に俺が
     承知せえへん!!」
やっと、K君の攻撃が止んだそうだ。

posted by たかママ at 21:17 | Comment(0) | 日記
2009年07月01日

しゃしゃり出る

 帽子はあご紐が無くても、かぶれるし、カバンにしても、サイドのベルトが
無くても、使用するには一向に差し支えない。実に巧妙である。
 しかし、私はこんな状態が続くと、サトが学校に行くのが不安になるのでは
ないかと心配した。

 「サト、お母さんが明日、学校へ行って先生と話そうか? お父さんも心配
  しているわよ。」
 「いいよ、僕が自分で何とかするから。お母さんは余計な事をしないで。」
 「何とかするって、どうするの? K君がやったって証拠はないんでしょう?」
 「うん、でも、あいつに間違いないと思うんだ。先生にもう一回、相談して
  みるよ。」
 「そお? サトがそんなに言うのなら、止めるけど、本当に困ったら、
  ちゃんと話すのよ。お父さんもお母さんも、いつでも出て行くからね。」

 親がしゃしゃり出るのを、サトが嫌がるので、電話をしたり、相談に行く
事は控えた。翌朝、いつものように送り出したが、心配は尽きなかった。
 夕方、帰ってきたサトの右足、くるぶしが青くなっていた。痛むらしく、少し
足を引きずっていた。 野球の練習で、捻挫したのだろうと思い、サトに聞いた。

posted by たかママ at 22:43 | Comment(0) | 日記
2009年06月30日

挑戦的

 翌日のホームルームの時間に、担任はサトの帽子のあご紐が切られた事を
告げ、ほかにも切られた人がいたら、名乗り出るように言ったそうだ。
 
 「人の持ち物を破損するような事は、とても許せない、悪質な行為である。
  二度とこのような事をしてはいけない。 現場を見た人はいないか?
  もし、心当たりのある人は、申し出るように。」
と、厳しく注意したようだが、反応は無かったという。

 それどころか、今度はカバンのサイドの調節ベルトが左右共、切られて
しまったのである。
 「お母さん、今度はカバンの横のベルトを切られてしまった。今日は、
  出来るだけ、席を離れないようにしていたのに、トイレに行っている間に
  やられたんだと思う。」
 「誰か見ていた人は居ないの?」
 「見ていたとしても、誰も言わないよ。チクッたって言われて、自分も
  やられるかもしれないし・・・。」

 朝のホームルームの注意を根に持ったに違いない。挑戦的な行動としか
思えなかった。

posted by たかママ at 22:19 | Comment(0) | 日記
2009年06月28日

あご紐

 夕方、帰宅したサトに先生から連絡があった事を話した。
  
 「僕も放課後、先生から聞いたよ。」
 「そう、先生がK君のお母さんに、うちの電話番号を教えたそうよ。明日、
  電話があるかもしれないね。K君も、学校でサトに何か言ってくるかも
  しれないね。その時は何も言わないで、勘弁してあげるのよ。」
 
 しかし、何時までたっても、K君のお母さんから、電話はなかった。それ
どころか、K君からサトに対する、陰湿ないじめが始まったのである。最初は、
学生帽のあご紐が切られた。それは、あきらかに刃物で切ったような跡だった。
 「お母さん、授業が終わってクラブに行こうと思って、かぶろうと思ったら、
  あご紐が切れていたんだ。」
 「誰がやったか、分からないんでしょう?」
 「うん、でも、K君に決まってる!」
 「K君がやっている所を見たわけじゃないでしょう。むやみに他人を疑っては
  駄目よ。先生には言ったの?」
 「うん、明日、ホームルームで話すって言っていた。」

posted by たかママ at 21:12 | Comment(0) | 日記
2009年06月25日

認識

 サトの話に私は驚いてしまった。そのK君のお母さんの、あまりの認識の
低さに呆れるやら、情けなくなるやら。ついこの前まで小学生だったK君も
まともに、お母さんの影響を受けたのだろう。
 私は、K君の言った事がきっかけで、クラスの子供達が誤った認識で、サトが
苛めの標的になるのを恐れた。翌日、担任へ連絡した。既に、サトから相談を
受けていたと見え、丁寧に対応してくれた。

 「サト君から聞いて、私も驚きました。入学式の後の私の説明が足りなかった
  かもしれません。サト君には可愛そうな事をしてしまいました。申し訳
  ありません。K君のお母さんに、これから電話する所でした。」
 「いえ、先生のせいではないと思います。いろいろな考えの人が居ますので、
  仕方ないと思います。ただ、子供は親の影響をもろに受けてしまいます
  ので、その事が 苛めにつながらないか心配しているんです。」

 翌日、担任から連絡を受けた。
 「K君のお母さんには、誤解の無いように良く説明しておきました。K君の
  お母さんも子供の前で余計な事を言ってしまったと反省しているようでした。
  そちらの電話番号を教えてありますので、近いうちに電話でお詫びしたいと
  言ってました。その時は穏便によろしくお願いします。」

posted by たかママ at 23:19 | Comment(0) | 日記
2009年06月24日

心無い

 クラブも決まり、学校生活のリズムを付いてきた頃、サトが帰宅するなり、
私に詰め寄ってきた。
 
 「お母さん、僕の補聴器は、国の税金で買って貰っているの?」
 「いきなり、どうしたの?」
 「今日、学校でT小から来たKと言うやつが言ったんだ。お前の補聴器は
  俺らの税金で買ってやっているんだから、感謝しろ!って。」
 「それで、サトは何て答えたの?」
 「僕の補聴器は、両親が買ってくれた物だって。」
 「そうだよ。サトよりもっと聴力が悪くて、障害者に認定されている人は、
  福祉の方から補助が出ることもあるけどね。サトの補聴器は、お父さんと
  お母さんが働いた収入で買ったのよ。」
 「入学式の日に、先生が僕の補聴器の事を話したでしょう。その日に、
  そいつのお母さんが言ったんだって。
  “うちらの税金で買うてやってんから、少しは、感謝してほしいわ。何か
   あって壊れても、また福祉で何とかしてくれはるから、良いわな。”て。」
 
サトは同級生の心無い言葉に、明らかに傷ついていた。

posted by たかママ at 21:40 | Comment(0) | 日記